著者
中本 学 関岡 裕明 下田 路子 森本 幸裕
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 : 日本造園学会誌 : journal of the Japanese Institute of Landscape Architecture (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.65, no.5, pp.585-590, 2002-03-30
参考文献数
33
被引用文献数
15 15

筆者らは,福井県敦賀市中池見の休耕田において,コナギやアゼナなど小型で一年生の水田雑草を保全するための管理手法を検討した。植生調査は,耕起を再開した1997年に開始し,復田を行った2000年まで継続した。耕起を停止した場合には,サンカクイなど特定の多年生草本が著しく増加するため,耕起の継続は不可欠であった。さらに,耕起を継続しても増加する多年生草本を減少させるには,復田が有効であった。このことから,生物の保全を目的とする休耕田の管理手法として,耕起の継続に加えて数年に一度の復田を組み入れるシステムを提案した。
著者
関岡 裕明 下田 路子 中本 学 水澤 智 森本 幸裕
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 : 日本造園学会誌 : journal of the Japanese Institute of Landscape Architecture (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.63, no.5, pp.491-494, 2000-03-30
被引用文献数
20 23

筆者らは,中池見(福井県敦賀市)の耕作放棄水田において,デンジソウ,ミズアオイ等の希少な水生植物および湿生植物を本来の生育状態で保全する手法を確立するための研究をおこなった。上記の種は,かつて,耕地整備がおこなわれる以前の水田や水路などに広く生育する普通種であったため,保全事例が少なかった。そこで,本研究では上記の種の保全に有効な手法を確立することを目的として保全計画を立案・実施し,モニタリンクをおこなった。本研究により,上記の種の保全には,田起こしや水管理・草刈りなど,生育地における従来の営農作業に準じた維持管理作業の実施が有効であることが明らかになった。