- 著者
-
中村 公枝
- 出版者
- The Japan Society of Logopedics and Phoniatrics
- 雑誌
- 音声言語医学 (ISSN:00302813)
- 巻号頁・発行日
- vol.48, no.3, pp.254-262, 2007-07-20 (Released:2010-06-22)
- 参考文献数
- 18
- 被引用文献数
-
7
3
乳幼児期の聴覚活用と言語習得について以下の観点から考察を加えた. (1) 聴覚・コミュニケーション・言語習得, (2) 聴覚活用と言語習得の関係, (3) 聴覚障害乳幼児の音声言語習得上の課題と対応.聴覚障害児の聴覚活用とは, コミュニケーション場面での意味ある聴覚的経験を通して「能動的な聴くシステム」を形成することである.そのための必要事項として, (1) 前言語的コミュニケーション, (2) 語彙習得, (3) 文法習得, (4) リテラシーと談話理解の4つを取り上げ, そこでの課題と対応を明らかにした.なかでも音声言語習得に必要な情報処理として統語構造処理の重要性について述べた.また最大限の聴覚活用をするために視覚を活用することの意義と重要性についても言及した.