- 著者
-
井内 善臣
中村 利男
- 雑誌
- 全国大会講演論文集
- 巻号頁・発行日
- vol.47, pp.371-372, 1993-09-27
- 被引用文献数
-
1
利便性や省力化をもたらす情報化の波が、我々の身近に迫ってきており、情報システムは、社会生活を行なう上でなくてはならないものとなってきた。しかし、急速な情報化では、情報の混乱や機密漏洩などといった、個人のプライバシーを侵害する事態も数多く見られるようになってきた。こうした情報化は、地域住民の生活向上をめざした地域医療分野でも例外でなく、いくつかの地域では実際に情報システムの構築が行われている。医療分野における情報化には、教育分野における情報公開の課題などと同様に、医療情報が持つ特殊性があること、医療倫理などが必ずしも確立されていない、開示が可能な医療情報はなにか、など多くの課題がある。現在運用されている医療情報システムは、こうした問題に対して明確な指針を提案しているとは必ずしもいえない。本論では、加古川市を中心とする地域医療情報システムを構築するに際して、「地域住民のプライベシーを保護するためにシステムはいかにあるべきか」といった立場から概観し、プライバシー保護の指針となるべきガイドラインについて論じたものである。