著者
中村 史江 山門 實
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
vol.45, no.5, pp.5_927-5_935, 2023-01-20 (Released:2023-01-20)
参考文献数
20

目的:看護師の勤務体制を16時間夜勤から13時間夜勤へ変更することによる,心の健康度と疲労蓄積度,酸化ストレスバランスの変化を検証した。方法:13時間夜勤体制(実施群)と16時間夜勤体制(対照群)に勤務する16名(各群8名)を対象に,実施前と3ヶ月後、1年後に,心の健康度と疲労蓄積度および酸化ストレスマーカーを調査し,終了後に質問紙調査をした。結果:心の健康度は,13時間夜勤群が実施前より有意に高く,質問紙調査にて心身の楽さなどが抽出された。酸化ストレスバランス度(BAP/d-ROM)比は,16時間夜勤群で経時的に有意に低下したが13時間夜勤群では変化しなかった。結論:13時間夜勤交代制への変更は,主観的に心の健康度が増加して仕事と生活に充実感が得られ,また身体的な疲労感の客観的指標である抗酸化力を示す酸化ストレスバランス度は,16時間夜勤群で経時的に悪化し13時間夜勤群は維持された。