著者
小林 和子 中村 宗亥 藤原 耕三
出版者
大阪夕陽丘学園短期大学
雑誌
大阪女子学園短期大学紀要 (ISSN:02860570)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.32-48, 1964-07-01

調理した食物6種(煮タコ,椀種用塩茹でハモ,塩茹でレバー,塩茹でエビ,茹で卵,チキンカレー)を電気冷蔵庫(品温3±2℃)とフリーザー(品温-23±2℃)に8週間貯蔵してその味の変化を検討した。得られた結果を要約すると次の通りである。1. 6種食物を冷蔵車内に貯蔵した場合は,貯蔵可能日数は7日位であったが,フリーザー内で貯蔵した場合は8週間に亘る実験期間を通じて食べられる状態に貯蔵できた。2. フリーザーに貯蔵した場合,味の変化の起る程度は各食物により異り,6種食物中煮タコ,塩茹でハモ,塩茹でエビ,塩茹でレバーは貯蔵中味の変化の少いものであった。これに反して,茹で卵は特に白身が変化して,冷凍貯蔵では味が劣化した。良好な状態で保ち得た4種食物は,温度降下が速かであった事により,冷凍貯蔵では,貯蔵中に於けるよりも凍結時に於ける変化が重要である事が示唆された。3. フリーザーに貯蔵した場合の味必変化は,冷蔵庫に貯蔵した場合に較べて緩慢であったが,中でも特に香の変化が少いのが特徴であった。