著者
鈴木 貢次郎 井出 美奈子 中村 幸恵
出版者
日本芝草学会
雑誌
芝草研究 (ISSN:02858800)
巻号頁・発行日
vol.36, no.2, pp.105-108, 2008-03-31 (Released:2010-06-08)
参考文献数
5

ジャノヒゲが長期間冠水下で生育できる理由について調べた。長期間冠水したジャノヒゲの根の断面を観察したところ, イネを冠水した時にできる通気組織を観察した。また, ジャノヒゲの植物体全てを冠水したり根系部のみを浸水し, これらを明条件と暗条件に置いて水中の溶存酸素量を測定した結果, 明条件下で水中の溶存酸素量が増えた。ジャノヒゲの根には, 根系での呼吸が行われにくい時, 葉茎部の光合成作用によってつくられた酸素を運ぶ通気組織がつくられたものと考えられた。
著者
中村 幸恵 鈴木 貢次郎 近藤 三雄 Yukie Nakamura Suzuki Kojiro Kondo Mitsuo
巻号頁・発行日
vol.49, no.3, pp.98-104,

ヤブラン亜科の1栽培品種と4種,計5系統を供試植物として冠水抵抗性の違いについて比較した。冠水状態においた供試植物の生存率や葉数,根数,葉長,新芽数等の測定結果から,ジャノヒゲ,またはチャボリュウノヒゲ>ノシラン>オオバジャノヒゲ>ヤブランの順で冠水抵抗性があると判断できた。また冠水抵抗性に劣るヤブランやオオバジャノヒゲを冠水し,その水中に人為的に空気を送ると,枯死する個体が少なくなり,生育している個体の生体重や茎数,葉数の値が空気を送らない時に比べて大になった。これらの結果から冠水抵抗性の系統間差異の原因を考察した。