著者
柳生 将之 中村 明日加
出版者
飯田市美術博物館
雑誌
伊那谷自然史論集 (ISSN:13453483)
巻号頁・発行日
vol.20, pp.21-25, 2019 (Released:2019-06-05)

2016 〜2018 年にわたって,諏訪市の諏訪湖北東部においてタウナギを確認した.タウナギは東アジアから東南アジアにかけて広く分布し,日本国内では琉球列島に在来の個体群が生息する.しかしながら,奈良県など14 の都府県に生息する個体は,朝鮮半島からの移入による国外外来種と推測されている.長野県における生息の記録は,現在のところ見当たらない.今回の調査によって,当年生まれの稚魚や成熟可能な体サイズの個体を確認したことから,全面結氷する諏訪湖においても越冬が可能であること,さらに,越冬個体が成長して自然繁殖している可能性が示唆された.