著者
中桐 裕幸 佐久間 修三 小若 雅弘
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.36, no.3, pp.413-416_1, 1995-06-05 (Released:2009-12-11)
参考文献数
4

市場において開栓したビールから昆虫が発見されることがある. 熱処理されたビールから発見された場合には, カタラーゼ活性の有無で昆虫が製造工程中に混入したか開栓後に混入したかを判断している. しかしながら, この判定方法は生ビールに対しては精度が低く, 実用にならない. そこで生ビールに対しての判定方法を検討した結果, 昆虫に含まれるコリンエステラーゼ活性の残存度により, 混入後の経過日数を推定する方法を開発した. コリンエステラーゼ活性は昆虫の個体間のばらつきが少ない. またこの方法はホモジナイザー, 分光光度計, 遠心分離機等の機器類, 及び簡単な試薬さえあればすぐに測定できる簡便性も備えている.