著者
大城 直雅 國吉 和昌 中村 章弘 新城 安哲 玉那覇 康二 稲福 恭雄
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.49, no.5, pp.376-379, 2008-10-01 (Released:2008-11-25)
参考文献数
16
被引用文献数
10 11

家庭菜園で栽培したナスの入ったスパゲティーミートソースを摂食した夫婦が,ふらつき,ろれつがまわらない,意識混濁などの症状を呈し,相次いで救急診療を受診した.このナスはチョウセンアサガオに接木したもので,食品残品と患者血清からスコポラミンとアトロピンが検出された.本事例は沖縄県初のチョウセンアサガオ関連食中毒事例であり,接木による食中毒事例は本邦初の報告と思われる.
著者
伴埜 行則 並河 幹夫 三輪 真理子 伴 創一郎 折戸 太一 瀬村 俊亮 川上 雅弘 土井 直也 三宅 司郎 石川 和弘
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.54, no.3, pp.178-187, 2013-06-25 (Released:2013-07-18)
参考文献数
29
被引用文献数
1 1

チェルノブイリ原子力発電所事故以後,京都市内に流通する食品中の放射性ヨウ素(131I)および放射性セシウム(137Csおよび134Cs)のモニタリングを実施してきたが,2011年3月の福島原子力発電所の事故は,調査の重要性を改めて認識させることとなった.福島原子力発電所事故前後において検出した核種と検出率,および濃度について検討した.検査にはゲルマニウム半導体検出器を用いた.福島原発事故以前は,輸入品,国産品をモニタリングの対象とした.核種としては137Csのみが検出された.魚介類からの検出頻度は約70%であり,濃度は最高でも1.7 Bq/kgであった.乾燥キノコを除くキノコ類からの検出頻度は,83%と高く,濃度の最高値は7.5 Bq/kgであった.野菜類は,207検体のうち2件のみ(根菜を除く)で検出したが濃度も明らかに低かった.福島原発事故以降は,東北・関東地方産の流通食品を検査した.3月23日に中央卸売市場から採取したミズ菜から3,400 Bq/kgの131I,280 Bq/kgの134Cs,および280 Bq/kgの137Csを検出したのをはじめ,3月と4月に検査したすべての葉菜類でこれらの放射性物質を検出した.しかし,11月以降はすべてが不検出となった.魚介類から検出された137Csは,平均で7.9 Bq/kgだった.肉類では,トレーサビリティーによって汚染稲わらを与えられたことが判明したウシの肉からのみ暫定規制値を超える137Csが検出された.また,甲状腺に対するリスクが懸念される131Iは,5月以降すべての試料で不検出となった.基準値を超える食品が京都市内を流通する恐れは,すでにほとんどないと考えられた.
著者
堤 智昭 鍋師 裕美 五十嵐 敦子 蜂須賀 暁子 松田 りえ子
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.7-13, 2013-02-25 (Released:2013-03-08)
参考文献数
5
被引用文献数
5 5

東日本大震災に伴い発生した東京電力福島第一原子力発電所事故により,食品が放射性セシウムをはじめとする人工放射性物質に汚染される事態が生じている.そこで,食品中の放射性物質による健康影響を評価するために,東京都,宮城県,および福島県でマーケットバスケット方式によるトータルダイエット試料を作製し,セシウム-134およびセシウム-137(放射性セシウム)および,天然放射性核種であるカリウム-40(放射性カリウム)濃度を測定し,1年当たりの預託実効線量を推定した.放射性セシウムの預託実効線量は,検出限界以下の濃度をゼロ(検出下限の1/2)とした場合,東京都が0.0021(0.0024)mSv/year,宮城県が0.017(0.018)mSv/year,および福島県が0.019(0.019)mSv/yearであった.宮城県および福島県の値は東京都の8倍以上であったが,いずれも厚生労働省より示された許容線量1 mSv/yearを大きく下回っていた.一方,放射性カリウムの預託実効線量は,0.17~0.20(0.18~0.20)mSv/yearであり,地域間で大きな差は見られなかった.
著者
鍋師 裕美 堤 智昭 植草 義徳 蜂須賀 暁子 松田 りえ子 手島 玲子
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.56, no.4, pp.133-143, 2015-08-25 (Released:2015-09-03)
参考文献数
12
被引用文献数
1 10

平成23年3月に発生した福島第一原子力発電所事故(以下,原発事故)によって環境中に放出された放射性核種の1つである放射性ストロンチウム(90Sr)の食品中濃度の実態を調査した.その結果,セシウム(Cs)134および137がともに検出され,原発事故の影響を受けているとされた放射性Cs陽性試料(主に福島第一原子力発電所から50 ~250 km離れた地域で採取)では,40試料中25試料で90Srが検出された.一方,134Csが検出下限値未満であり,原発事故の影響を受けていないとされる放射性Cs陰性試料においても,13試料中8試料で90Srが検出された.今回の調査における放射性Cs陽性試料の90Sr濃度は,放射性Cs陰性試料の90Sr濃度や原発事故前に実施されていた環境放射能調査で示されている90Sr濃度範囲を大きく超えることはなかった.本研究の結果からは,放射性Cs陽性試料の90Sr濃度は過去のフォールアウトなどの影響と明確に区別ができない濃度であり,原発事故に伴う放射性Cs陽性試料の90Sr濃度の明らかな上昇は確認できなかった.
著者
坂本 勝志 西澤 秀男 眞鍋 昇
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.53, no.5, pp.233-236, 2012-10-25 (Released:2012-11-16)
参考文献数
7
被引用文献数
1 5

コーヒーの残留基準値は生豆に設定されているが,実際には生豆を焙煎し,さらに熱湯で抽出したものを飲料としている.2008年5月にはエチオピア産コーヒー豆でγ-BHCが基準値(0.002 ppm)違反となり,現在も命令検査の状況である.しかし,加工してわれわれの口に入る場合の農薬の消長に関するデータは少ないので,γ-BHC,クロルデン,ヘプタクロル,過去に検出事例のあったアトラジンおよびピペロニルブトシシドの焙煎工程での消長を調べた.コーヒー生豆での残留濃度を2濃度設定し,焙煎前後の濃度を測定して,焙煎工程後の残存率を求めた.γ-BHCおよびアトラジンは,いずれの濃度でも焙煎により消失し,残存しなかった.一方,クロルデンおよびピペロニルブトキシドは2濃度とも焙煎工程後に残存が見られたが,90%以上は焙煎工程中に消失した.ヘプタクロルは高濃度で焙煎後に0.72%残存した.
著者
廣川 大志郎 大森 聖太 西村 紀明 吉田 和郎 和田 伊知朗 山越 昭弘
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.57, no.1, pp.7-12, 2016-02-25 (Released:2016-03-02)
参考文献数
11

2011~2014年度に,陰膳方式による家庭の食事からの放射性物質(134Cs, 137Cs, 40K)摂取量調査を実施した.試料は全国18都県の一般家庭から収集し,延べ1,612試料を分析した.134Cs, 137Csは,宮城県,福島県および東京都の試料から検出され,2011年度は11件,2012年度は12件,2013年度は7件から検出されたが,2014年度はすべて検出限界1.0 Bq/kg未満となった.検出量の最大値は,2011年度に福島県の試料から検出した12 Bq/kgであり,その後は徐々に減少した.放射性セシウムを検出した試料から推定される預託実効線量の最大値は0.14 mSv/yearであった.40Kはすべての試料から検出され,4年間を通してほとんど変化は見られなかった(中央値約30 Bq/kg).
著者
平川 幸子 義澤 宣明 村上 加菜 河合 理城 滝澤 真理 佐藤 理 高木 俊治 鈴木 元
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.58, no.1, pp.36-42, 2017-02-25 (Released:2017-03-03)
参考文献数
5
被引用文献数
3

2011年3月11日に発生した東日本大震災に伴う原子力発電所事故直後から環境中および露地野菜,原乳,水道水等から,ヨウ素131が検出された.事故時の福島県民の内部被ばく線量の把握は健康管理上重要であるが,その後,国際機関等においてさまざまな仮定に基づく内部被ばく線量評価が行われた.例えば事故後に福島県において食品の出荷制限等が行われた点などを考慮せずに,従来どおりの食品の経口摂取が行われた仮定で推計が行われた.このため本研究では,住民の内部被ばく線量の推計において保守的な仮定が採用された従来の事故直後の推計値に含まれる不確実性をできるだけ排除するため,避難地域での実際の食品摂取量の正確性を高めることを目的とした.具体的には,より精度の高い食品からの内部被ばく線量推計を行う基礎資料として,福島県内で平成23年3月11日の事故直後から3月末までに避難した13市町村の住民の避難のパターンや,当時の食生活のパターンを明確にした.調査結果からは,事故直後に避難者が摂取した食品等の多くは事故前からの備蓄品または被災地外からの支援物資であったことが確認された.さらに,対象野菜の出荷制限,水道水の摂取制限のほか,流通施設の被災,小売店舗の閉鎖,等の状況からヨウ素131で汚染された食品等が大量に消費される状況ではなく,一般に広く流通した可能性は低いことが示唆された.一方,水については,内部被ばくの要因となりうる水道水等の摂取状況が確認されたことから,その摂取状況等について検討を行った.
著者
三橋 亮太 水野 壮 佐伯 真二郎 内山 昭一 吉田 誠 高松 裕希 食用昆虫科学研究会 普後 一
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.54, no.6, pp.410-414, 2013-12-25 (Released:2013-12-28)
参考文献数
10

福島県では福島第一原子力発電所事故が発生してから,イナゴの放射線汚染を懸念してイナゴ食(イナゴを採集し,調理して食べること)を楽しむ人が減少した.そこで2011年,2012年に福島県各地で採取したイナゴに含まれる放射性セシウムを測定したところ,134Csと137Csの合計放射能濃度は,最高で60.6 Bq/kgであり,2012年に設定された食品中の放射性物質の新たな基準値である100 Bq/kgを下回ることが示された.さらに,イナゴは一般的な調理過程を経ることによって,放射能濃度が15.8 Bq/kg以下,未処理時の1/4程度まで低下することが示された.
著者
佐藤 陽子 休石 千晶 千葉 剛 梅垣 敬三
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.58, no.6, pp.268-274, 2017-12-25 (Released:2017-12-28)
参考文献数
19
被引用文献数
1

ビタミンB6はレボドパと相互作用を起こすとされているが,その具体的な摂取量は明確になっていない.そこで,レボドパとビタミンB6の相互作用に関する論文の系統的レビューにより,レボドパの薬効に影響を与える可能性が強いビタミンB6摂取量について検討した.論文は2017年8月に2つのデータベースにて検索し,11報を採択した.その結果,ビタミンB6摂取量が50mg/日以上でレボドパの薬効が減弱する可能性が高くなると考えられた.したがって,ビタミンB6欠乏がなく,かつ,レボドパとの相互作用が回避できるビタミンB6摂取量は日本人の食事摂取基準における推奨量と上限量の範囲と同等と推定された.以上より,ビタミンB6は通常食品からの摂取では特に留意する必要はなく,多量に摂取できるサプリメントや市販薬の利用に注意すべきことが示された.
著者
坂本 義光 多田 幸恵 福森 信隆 田山 邦昭 安藤 弘 高橋 博 久保 喜一 長澤 明道 矢野 範男 湯澤 勝廣 小縣 昭夫
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.49, no.4, pp.272-282, 2008-08-30 (Released:2008-09-11)
参考文献数
27
被引用文献数
12 14

除草剤グリホサート耐性の性質を有する遺伝子組換え大豆(GM大豆)の安全性を確かめる目的で,ラットを用い,GM大豆および非遺伝子組換え大豆(Non-GM大豆)を30%の割合で添加した飼料による104週間摂取試験を行った.また大豆に特異的な作用を観察する目的で,一般飼料(CE-2)を大豆と同様の期間摂取させた.GMおよびNon-GM大豆群とCE-2群間には,検査項目の一部に差が見られたが,GM大豆群の体重,摂餌量,血液学的および血清生化学検査結果,臓器重量には,いずれもNon-GM大豆群と比べて顕著な差は認められなかった.組織学的にもGM大豆に特徴的な非腫瘍性病変や腫瘍性病変の発現や自然発生病変の発現率の増加は認められなかった.GM大豆の性状はNon-GM大豆と顕著な差はなく,飼料に30%まで添加し,104週間摂取させても障害作用はないものと考えられた.
著者
市橋 大山 青柳 直樹 佐藤 千鶴子 内野 栄治 伊藤 八十男 桂 英二
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.117-120, 2013-04-25 (Released:2013-05-15)
参考文献数
7
被引用文献数
1

北海道における日常食中の放射性セシウム(134Csおよび137Cs)量について調査を行った.札幌市およびその近郊に住む成人から提供を受けた1日分の食事(陰膳方式)を灰化して試料とした.測定にはGe半導体検出器を用いた.本調査における日常食中の放射性セシウムの最大値(平均値)は,2011年7月1.0 Bq/人・日(0.24 Bq/人・日),11月1.3 Bq/人・日(0.30 Bq/人・日),2012年2月3.9 Bq/人・日(1.0 Bq/人・日),そして7月0.34 Bq/人・日(0.12 Bq/人・日)であった.本調査における放射性セシウムの最大値3.9 Bq/人・日の食事を1年間摂取し続けたときの預託実効線量は0.022 mSv/年であった.
著者
辻 澄子 藤原 香里 柿内 雅 柴田 正 内堀(長谷) 幸子 古山 みゆき 兼田 登 尾田 美子 藤原 一也 鈴木 宏 伊藤 誉志男
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.34, no.4, pp.303-313_1, 1993-08-05 (Released:2009-12-11)
参考文献数
25
被引用文献数
1 1 3

生鮮及び加工食品合計213種類 (864検体) について, 呈色陽性物質を除去して亜硫酸量 (SO2として) を算出する改良ランキン-比色法を用いて, 亜硫酸の天然由来含有量を測定した. 生鮮食品中の亜硫酸の天然由来含有量が多いものの大部分は含硫化合物を含有する食品であり, 10mg/kg以上含んでいるものはワケギ, 小玉ネギ, 白ネギ, 青ネギ, 玉ネギであった. それ以外のものは, いずれも5.0mg/kg以下であった. 加工食品中の亜硫酸の天然由来含有量は生鮮食品に比べて低く, すべて10mg/kg以下であった.
著者
荻本 真美 鈴木 公美 樺島 順一郎 中里 光男 植松 洋子
出版者
[日本食品衛生学会]
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.57-62, 2012
被引用文献数
4

ベーキングパウダーを使用した菓子・パン類,ミョウバンを使用した食品として野菜加工食品,海産物などを中心とした105試料について,食品中のアルミニウム(Al)含有量調査を行った.菓子・パン類は57試料中26試料で0.01~0.37 mg/g,小麦粉調製品は6試料中3試料で0.22~0.57 mg/g,野菜加工食品は3試料すべてで0.01~0.05 mg/g,海産物は6試料中4試料で0.03~0.90 mg/g,即席めんは11試料中3試料で0.01~0.03 mg/g,春雨は4試料中3試料で0.04~0.14 mg/g,大豆は不検出,大豆加工食品は16試料中1試料で0.01 mg/gのAlが検出された(定量限界0.01 mg/g).週一度摂取すると体重16 kgの幼児のPTWIに相当するものが,菓子類2試料,小麦粉調製品2試料,くらげ1試料の5試料あった.以上の結果から,子供,特に幼児では製品や喫食量により,PTWIを超過する可能性があることが示唆された.
著者
最所 和宏 豊田 正武 高木 加代子 佐竹 元吉 高橋 悟 山本 裕昭 葛西 健 橋本 勢津 斎藤 行生
出版者
Japanese Society for Food Hygiene and Safety
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.46-50_1, 1994-02-05 (Released:2009-12-11)
参考文献数
10
被引用文献数
5 6 2

平成4年4月岩手県岩泉町の山林において野生ミツバチのはちみつによる神経毒症状を呈する中毒事故が発生した. この食中毒の原因物質を検索するため. 中毒はちみつ中の花粉の鏡検を行ったところ, Aconitum 属植物の花粉と形状のよく一致する花粉の存在が確認され, その出現率は68.3%であった. また, このはちみつをラットに投与すると神経毒症状を呈した. はちみつ抽出物のTLCによりアコニチンと同一のRf値を示す物質の存在か認められ, GC/MSのフラグメントイオンによりアコニチンと確認した. そこで牛薬中のアコニチン系アルカロイドの迅速抽出精製法に準拠して, 中毒はちみつ中のアコニチと系アルカロイドを抽出し, HPLCにより定性・定量を行った. 中毒はちみつ中のアコニチンレベルは10.7ppmであり, この濃度はヒメダカ致死試験による推足値と一致した. 以上より. はちみつによる本食中毒の病因物質はアコニチンと推定した.
著者
登田 美桜 畝山 智香子 豊福 肇 森川 馨
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.105-120, 2012-04-25 (Released:2012-05-19)
参考文献数
15
被引用文献数
14 22

自然毒による食中毒発生リスクを効率的に低減させるためには,過去の発生状況およびリスク因子等に基づく重点的なリスク管理が必要である.本研究では,厚生労働省監修の全国食中毒事件録(平成元年~22年版)の自然毒食中毒事例を基に,わが国における中毒発生の傾向を検討した.平成元年以降の22年間を通じて自然毒食中毒の発生件数に経年的な減少傾向は見られず,発生を低減するために予防のための継続的な取り組みが必要であると考えられた.動物性および植物性いずれの自然毒においても主な原因施設は「家庭」であり,食中毒の発生状況および予防策,対応等について消費者向けの広い啓蒙・広報が重要である.また,食品の国際的な流通拡大や地球温暖化による海水温の上昇に伴い,これまで国内で食中毒が発生していない自然毒への対策も重要である.
著者
鍋師 裕美 菊地 博之 堤 智昭 蜂須 賀暁子 松田 りえ子
出版者
[日本食品衛生学会]
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.54, no.6, pp.415-418, 2013
被引用文献数
5

平成23年3月の福島第一原子力発電所事故後,牛肉から高濃度の放射性セシウムが検出されたことから,暫定規制値を上回る牛肉が市場に流通しないよう全頭検査が実施された.しかし,検査の過程で同一個体の部位間で放射性セシウム濃度が異なる例が明らかとなり,検査結果の信頼性に疑問が生じる事態となった.そこでわれわれは放射性セシウムを含む同一個体由来の5部位の肉を用いて測定部位間の放射性セシウム濃度の違いについて原因の解明を試みた.その結果,検討した3個体すべてにおいて,脂肪含量が高い部位ほど放射性セシウム濃度が低下することが判明し,部位間の放射性セシウムの濃度差が脂肪含量に起因することが明らかとなった.さらに,筋肉組織は平均して脂肪組織の7倍以上の放射性セシウムを含んでいたことから,ウシの個体検査で放射性セシウム濃度を測定する場合には,脂肪の少ない筋肉部を用いた検査が適当であると考えられた.
著者
宮崎 仁志 土山 智之 寺田 久屋
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.156-164, 2013-04-25 (Released:2013-05-15)
参考文献数
1
被引用文献数
2 1

当市では2011年3月に発生した福島原発事故を受けて,ゲルマニウム半導体検出器付きガンマ線スペクトロメータにより,市内を流通する食品の放射性物質検査を開始した.2011年3月30日から2012年10月31日までに300検体の検査を行った.暫定規制値および2012年4月から施行された基準値を超えた検体はなかった.放射性ヨウ素(131I)は緑黄色野菜およびその他の野菜7検体から検出された.放射性セシウム(134Csおよび137Cs)は60検体から検出された.検出された食品群は,米・加工品,いも・加工品,種実類,緑黄色野菜,その他の野菜,生果,きのこ類,生魚介類,魚介加工品,畜肉,牛乳・乳製品およびその他の嗜好飲料であった.