著者
中野 博明 西岡 善彦 伊藤 稔
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1997, no.2, 1997-03-06

物体形状を計測する手法としてスリット投影法, パターン投影法が利用されているが, これらは, 物体表面が石膏表面のように乱反射することを前提条件としており, 鏡面の計測に用いることはできない. 鏡面の場合の計測法として環境パターンから面形状を復元しようとする試みが提案されている. この方法は, 鏡面上の基準点の位置が既知であることを前提としてその隣接点の勾配を求めるという手順を周辺領域に伝搬させていくものである. このため, 各位置での勾配計算にその近傍の正確な位置情報が予め必要である. しかし位置情報は, 位置情報は勾配から算出されるため, 計測誤差が大きく累積されやすいという問題がある. 本研究ではこの問題を解決するために基準点の位置情報が不要で, 面上の各点毎に独立に位置と勾配を算出する新しい計測手法を考案し, 計算機シミュレーションによりその有用性を検討したので報告する.