著者
中野 峰生 五十嵐 敦 李 俊〓 大橋 一之 門脇 淳
出版者
Japanese College of Surgeons
雑誌
日本外科系連合学会誌 (ISSN:03857883)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.82-86, 2003-02-28 (Released:2009-08-13)
参考文献数
10

当院に受診した騎手候補生の馬による外傷を集計し, 受傷機転・部位・原因などとその事故防止対策について検討した。当院を受診した騎手候補生は43名で, 提示した2症例以外は外来治療が可能な軽症例だった。受傷原因は落馬 (55%) が最も多かったが, 次いで乗馬中以外での馬の取り扱い時の事故 (31%) であった。受傷部位は下肢 (41%) および頭部・顔面 (20%) が多く, 乗馬外傷を繰り返して起こす者 (21%) も比較的多かった。また, 騎手候補生は入校後6カ月以内に受傷していることが圧倒的に多かったことから, 馬に関する安全教育を入校直後から指導徹底し, 防護用の服や靴を使用すべきであると考えられた。