著者
丸、瑠璃子 谷島 一嘉 白石 信尚 伊藤 雅夫
出版者
日本大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1987

昭和59、60、61年度科学研究助成により作成した空気置換式人体体積計の精度向上を図りの体学学生を中心に、男性175名、女性22名の被検者について体容積および諸形態を計測した。計測データから、各種階層 (性別、身長別、体重別、年令別) の被検者郡について、体比重と体型との関連性について検討した。また、女性6名について、CT横断面像から大腿部および腹部3部位の皮下脂肪面積を求め、体比重との関連性について検討した。1) 高精度人体容積計の精度 (信頼測定範囲、最低50ml) に見合った体重測定を可能にするために、読取限度1gの高精度電子秤量計 (Sartorius F150g) を購入し測定精度の向上を図った。2) 男性170名、女性22名のを対象に実測した体比重は、男子1.0592±0.0157女性1.048±0.033であり男性において高値を示す。この時の皮脂厚 (腹部、背部、上腕部の合計) は、男子44.2±23.4、女性44.6±16.5であり、いずれも体比重との間に高い正の相関が認められた。3) 男子大学生170名の体比重を体重別に集計すると、体重の平均-1.5σ以下で1.0704±0.0041、- (0.5〜1.5) σで1.0692±0.0065、±0.5σで1.0593±0.0104+ (0.5〜1.5) σで1.0508±0.0196、+1.5σ以上で1.0381±0.0179となり、明らかに過体重群において低い値を示している。4) 中年 (45〜55才) 女性6名におけるの体比重は (1.0106 1.056) 、1.0379±0.0179であり、女子大学生の1.048±0.033に比べて、明らかに低い値を示している。また、皮脂厚も61.4mmと、女子大学生に比べて有意に厚くなっている。他の形態計測値からも、中年女性の肥満傾向は明らかである。5) CT画像から求めた皮下脂肪面積と体比重との相関係数は、大腿部及び下腹部 (臍点下部5cm) で高値を示した。