著者
丸小 拓将 佐藤 和洋
出版者
札幌学院大学総合研究所
雑誌
社会情報 (ISSN:0917673X)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.139-155, 2013-03

われわれは「社会情報学(Socio-Informatics)」を「社会学と情報学の各々を要素として考え,それぞれがやり取りされている場,あるいは環境について科学的に学問するもの」と考え,それを検証するべく,授業科目実態調査とシステム設計を行った.本稿では「出席管理システムSGU-AMS」の設計・開発とその試験運用について論ずる.「出席管理システムSGU-AMS」の設計・開発に際しては,比較的簡単な操作による処理の実現を検討し,GUI部分ではレスポンシブWebデザインを採用した.本学社会情報学部が開設する三つの授業科目で行った試験運用では,多くの学生が短時間に処理操作を終えており,きわめて自然に本システムを使用していた.これにより本システムの有用性は確かめられたと考える.しかし,未実装の機能があったり,他の課題が残されていたりし,提示した「社会情報学」に関する十分な科学的な実証研究が行えたとは言い難い.今後は残された課題への検討・考察を加え,「社会情報学とは何か」という問いを追い続けていきたい.試論