著者
丸山 始美 山下 早苗
出版者
一般社団法人 日本小児看護学会
雑誌
日本小児看護学会誌 (ISSN:13449923)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.228-234, 2019 (Released:2019-07-31)
参考文献数
6

小児医療現場における意思決定と看護介入について国内の現状を先行文献より明らかにすることを目的に、Web版医学中央雑誌 (Ver. 5) を用いて1995年~2016年の文献を対象に検索を行い、得られた28件の分析を行った。入院・治療・検査、復学・転校に関する意思決定の主体者は 「子どもと家族」 である場合が多く、ターミナル期、在宅移行・在宅での医療的ケアに関する意思決定の主体者は 「家族」 が多いという結果であった。子どもの状態に対する家族の受容状況が、子どもとともに意思決定する困難さに影響していると考えられ、家族が不安定な状況であっても、揺れ動く家族の思いに寄り添い、子どもを意思決定の参加者としてとらえ、子どもの最善の利益に向けた調整を図ることの重要性が示唆された。