著者
丹生谷 晋
出版者
日本管理会計学会
雑誌
管理会計学 : 日本管理会計学会誌 : 経営管理のための総合雑誌 (ISSN:09187863)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.39-55, 2009-02-28

本稿は,業績評価システムの情報システムとしての側面に着目し,事業部門の状況についてグループ本社(G本社)の理解を促し,適切な資源配分に資するような業績評価システムの設計・運用と事業部門の財務的なパフォーマンスの関連性を実証的に明らかにすることを目的としている.研究に当たって,「グループ経営における事業部門の業績評価システムに関するアンケート調査」を実施し,東証1部上場製造業のうち分権的組織形態を採用している企業の事業部門責任者あるいは事業部門スタッフに質問調査票を送付した.218社307部門から回答を回収し,有効回答とみなされる273部門を対象に分析を行った.従来の管理会計研究においては,財務・非財務業績評価指標による業績情報を中心に検討されてきたが,人対人に代表される非公式的な情報伝達で補完することによってはじめてG本社は事業部門の状況に対する理解が進み,それがG本社による適切な支援や資源配分に繋がり,さらに事業部門の財務パフォーマンスの向上をもたらすという因果関係をモデルによって示した.
著者
丹生谷 晋
巻号頁・発行日
2012

筑波大学博士 (経営学) 学位論文・平成24年9月30日授与 (甲第6327号)