著者
丹羽 みずほ 木村 健一
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第63回研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.191, 2016 (Released:2016-06-30)

北海道の舞踊であるYOSAKOIソーランは,24年の歴史を持ち,よさこいを踊る人数は約200万人に上るとも言われている.現在,YOSAKOIソーランの振り付けを記録する舞踊記譜法は確立されておらず,各チームで独自の方法が取られている.本研究では、特定のYOSAKOIソーランチームが新しい踊りを覚える際に使用可能な舞踊譜の制作を行いながら,舞踊記譜法に必要な構成要素を明らかにすることを目標とする.本研究では,メモの調査から,舞踊譜の構成要素として必要な要素は「身体の図解」「拍」「歌詞」「譜語」であると明らかにした.その後に,筆者自身が踊り手として踊った際の身体感覚を捉え,舞踊譜に落とし込んだ.その舞踊譜の評価を,グループインタビューを行い,そのプロトコルを分析したところ,伝わる「身体の図解」の特徴と,「譜語」の特徴が明らかになった.伝わる「身体の図解」の特徴は,腕と脚の形が示されていること,図解を踊り手の身体感覚と合わせることである.「譜語」の特徴としては,動作を具体的に表す言葉と,歌詞や仲間内で自然と生まれた言葉であった.