著者
榎 康明 前島 大輔 久保 希恵 長島 洋介
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.67, no.9, pp.339-344, 2020-09-15 (Released:2020-09-25)
参考文献数
10
被引用文献数
1 1

高アミロース米は食後血糖値が穏やかな機能性米としての利用が期待される一方,その米飯は硬く粘りの少ない特性を有し,普及の課題となっていた.そこで,高アミロース米「越のかおり」について,米飯としてではなくライスサラダとして摂取した場合における血糖応答と食味の評価を行い,以下の知見を得た.(1)コシヒカリと越のかおりの米飯と冷飯を調製し,RS量を測定した結果,越のかおりにおいてのみ,冷飯処理によるRS量の増加が認められた.(2)血糖応答評価では,コシヒカリ米飯と比較し,越のかおりのライスサラダにおいて,有意に低い血糖応答が認められた.(3)官能評価では,コシヒカリと越のかおりのライスサラダはともに高い評価となり,食感では,コシヒカリよりも高値傾向が認められた.