- 著者
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久保 江里
大川 百合子
- 出版者
- 宮崎大学医学部看護学科
- 雑誌
- 南九州看護研究誌 = The South Kyusyu Journal of Nursing (ISSN:21898995)
- 巻号頁・発行日
- vol.18, no.1, pp.27-35, 2020-03
本研究の目的は、治療を継続する血液がん患者が入院中から退院後の生活の中でセルフケア能力を発揮するための情報ニーズを明らかにすることであった。血液がんに対する2 クール以上の化学療法を終了し、一時退院し自宅での生活経験のある患者10 名を対象に半構造化面接を行った。面接で得られたデータを内容分析した結果、患者は治療過程において病気とともに「生きる」ニーズをもち、『「生きる」を実感したい』『「生きる」ための方略を探求する』の2つに分類された。 治療を継続しながら生活する血液がんの患者は、これらのニーズに対応するために【どうにかして食べるための情報】【可能な限り体を動かすための情報】【ピアサポートについての情報】【自分の治療についてのタイムリーな情報】【病気と付き合いながらの生活に関する情報】【自分のデータを理解するための情報】【自分の状況を見極めた服薬についての情報】【病気・治療そのものについての情報】を求めていることが明らかになった。