著者
久保田 勝彦
出版者
国立極地研究所
雑誌
南極資料 (ISSN:00857289)
巻号頁・発行日
vol.73, pp.88-96, 1981-09

天空照度とナンキョクオキアミ(Euphausia superba)群の日周鉛直移動との関連を明らかにするため, 南極海において, 1980年1∿2月水産庁開洋丸により調査を実施した天空照度と魚群探知機の記録を解析した。照度の最小値は, 00時付近で0∿30lx, 日出時(02時18分∿03時24分)には90∿520lx, 最大値は12時付近で30000∿124000lx, 日没時(20時13分∿22時47分)には420∿80lxを測定した。夜間(18時20分∿04時20分), オキアミ群の最大出現頻度は0∿20m層に認められ, その頻度は深度とともに減少している。昼間(08時20分∿16時20分)における, オキアミ群の最大出現頻度は20∿40m層に認められ, 0∿20m層および40∿60m層ではほぼ同じ値を呈しているが, 40m以深では深度とともに減少している。そして, オキアミ群の日周鉛直移動と照度との間に関係のあることが, 立証された。