著者
久保田 千太郎 松坂 要佐 小林 哲則
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLC, 言語理解とコミュニケーション (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.708, pp.49-56, 2000-03-17
被引用文献数
2

ロバストかつ高精度・高速な顔画像処理システムを実現し, これを対話ロボットに組み込んでグループ会話を実現した.グループ会話とは, 複数の話者を同時に相手にする対話形態である.グループ会話に円滑に参与するためには, 発話者が誰であるか, および発話が誰に向けられているか等の, 対話の状況を把握する必要がある.この目的には, 顔向きや個人の認識を行なう画像処理が重要な役割を演じる.この際, 画像処理システムには, 環境変化にロバストであることや, 高精度でかつ実時間処理に適していることが必要とされる.本研究では, 前者には顔領域を抽出する手掛かりとなる肌色尤度モデルを逐次更新することで, また後者にはパターン認識に適した高精度情報圧縮を実現する独立成分分析を適用することで達成した.この画像処理システムにより, グループ会話に必要な状況把握が可能となり, 自然なグループ会話の実現に貢献することを確認した.