著者
青島 親年 久保田 大輔 奥村 敏彦 中村 皓一 木村 浩 石井 紀雄 木下 誠一 中島 雄作
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会研究発表大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2014, pp.290-295, 2014

1990年代から,企業の財務会計,生産管理,販売管理,調達・購買管理,経営管理,人事・労務管理,給与計算,就業管理(勤怠管理)等に関する社内情報システムは,フルスクラッチで開発せず,ERPパッケージを採用して構築することが,盛んに行われている.また,ERPパッケージの導入におけるプロジェクトマネジメントに関する研究も数多く存在する.さて,2010年前後から,筆者が所属する会社では,グループ会社の社内情報システムを統一し,グループ会社の間接業務プロセスの標準化,効率化を推進することを経営施策の一つとして掲げていたが,ある特定のグループ会社群の人事給与・就業管理に関する情報システムの刷新の際,ERPパッケージを用いて構築した.初回のあるグループ会社へのERP導入では,過去の研究論文や文献を参考に,プロジェクト成功のノウハウを取り入れ,納期どおりにカットオーバさせたが,品質が安定せず,運用フェーズに入ってからの仕様変更が相次いだ.そこで,初回の反省を踏まえ,要因解析と対策立案を行った結果,2回目の別のグループ会社へのERP導入では,大幅に品質が向上し,QCD全てが良好な成功プロジェクトとすることができた.本稿では,前記の人事給与・就業管理ERPパッケージの導入における品質改善活動について紹介する.