著者
久冨 香苗
出版者
日本カウンセリング学会
雑誌
カウンセリング研究 (ISSN:09148337)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.30-39, 2014

本稿は,身体症状を呈している相談室登校男子に筆者がスクールカウンセラー(以下SC)として関わった事例を報告したものである。本生徒はネガティヴ感情の表出方法として身体症状を呈しており,その身体症状に大人が注目することでその症状が維持されていると見立てた。よって,援助の目標は,本生徒がネガティヴ感情を身体症状でなく言語的に表出できるようになること,とした。本稿では,本生徒がネガティヴ感情を言語的に表出できるようになるために筆者が行った援助の工夫について考察した。また,本生徒の学校での周りの大人(おもに養護教諭・担任)へのコンサルテーションの重要性についても考察を行った。