1 0 0 0 OA 高分子分散剤

著者
久司 美登
出版者
一般社団法人 色材協会
雑誌
色材協会誌 (ISSN:0010180X)
巻号頁・発行日
vol.86, no.3, pp.114-118, 2013-03-20 (Released:2013-06-20)
参考文献数
19

高分子分散剤の選定や設計に参考となる事例や考え方を解説した。分散剤が作用する各過程を,ぬれ・吸着・安定化に分け,それぞれで必要とされる機能を考えた。吸着・安定化には多点吸着やトレイン-ループ-テイル型吸着形態のとれる高分子量体が有利である。ぬれ促進のための表面張力低下に適したアルキル基の炭素数を前進接触角(θa)と後退接触角(θr)から推定した。分散剤水溶液の濃度と表面張力の関係からモノマー連鎖制御の有無によるミセル形成プロセスの違いをモデル化し,分散剤に適した分子構造を推定した。分散剤開発に有効なCRP技術の最近の進歩から,金属触媒使用量減と取り扱い性が向上したICAR ATRPと,付加解裂型連鎖移動反応性を示すMSD(α-メチルスチレンダイマー)由来不飽和基による合成例を紹介した。