著者
勝山 雅子 久田 裕美子
出版者
日本補完代替医療学会
雑誌
日本補完代替医療学会誌 (ISSN:13487922)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.17-22, 2017-03-31 (Released:2017-04-05)
参考文献数
15

コエンザイムQ10(CoQ10)摂取による体臭への影響を評価するために,皮膚ガス中のノネナールに着目して検討を行った.まず,65~74歳の健常女性20名を対象とし,プラセボ対照交差二重遮蔽比較試験を実施した.血中CoQ10濃度を指標に被験者を2群に分け,還元型CoQ10(QH)とプラセボを各4週間摂取させた(ウォッシュアウト5週間).各連用の前後で血中CoQ10濃度と皮膚ガス中のノネナール濃度を測定した結果,QH摂取群で前者は有意に上昇し(p<0.01),後者は有意に減少した(p<0.05).次に,65~74歳の健常女性24名を4群に分け,QH,酸化型CoQ10(Q10),ビタミンE及びプラセボを4週間摂取させ,その前後で皮膚ガス中のノネナールを測定した.その結果,QH,Q10の順でノネナールが減少し(p<0.01, p<0.05),ビタミンEでは変化が認められなかった.以上の検討から,QH及びCoQ10の摂取は体内から発生するノネナールを減少させると考えられた.