著者
二宮 公紀
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木史研究 (ISSN:09167293)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.191-196, 1992
被引用文献数
1

江戸末期に薩摩藩の中心部に造られた甲突川五大石橋は、土木史跡として規模も優雅さも歴史的な価値の高さを誇っている。しかも現在においても、これらの石橋は鹿児島市民の生活道路の重要な一角を担っている。このため五大石橋には生活の利便性を優先させるために破壊または撤去するか、歴史的遺産として保存するかの問題が常に対立している。この問題は、近年特に鹿児島県民の注目を浴びるようになっている。<BR>ここでは、保存, 撤去問題の歴史的な経緯を調査し、これらに対する土木関係者の立場と、今後の保存に対する考察を加える。