著者
五利江 重昭
出版者
Japanese Society for Aquaculture Science
雑誌
水産増殖 (ISSN:03714217)
巻号頁・発行日
vol.49, no.4, pp.519-527, 2001-12-20 (Released:2010-10-28)
参考文献数
7
被引用文献数
6

MS-Excelのソルバーを用いて,非線形最小二乗法および最尤法によりvon Bertalanffyの成長式のパラメータを推定するワークシートを作成した。兵庫県但馬沿岸域で漁獲されたヒラメ(雄)の耳石の測定結果と年齢一体長関係について,パラメータの推定結果をWalfordの定差図法と比較したところ,Walfordの定差図法では成長係数が過小評価になっていると考えられた。また,最小二乗法と最尤法では,推定されたパラメータは同じであった。ここで示した成長式のパラメータを推定するワークシートは,年齢-体長データから成長式のパラメータを推定するのに役立つだろう。
著者
五利江 重昭
出版者
Japanese Society for Aquaculture Science
雑誌
水産増殖 (ISSN:03714217)
巻号頁・発行日
vol.50, no.2, pp.243-249, 2002-06-20 (Released:2010-03-09)
参考文献数
16
被引用文献数
1

MS-Excelのソルバーを用い, 最尤法および非線形最小二乗法により, 全長組成の相対度数分布を混合正規分布に分解して, 各年齢の混合比とAge-Length keyを推定するワークシートを作成した。計算例題として, 兵庫県の但馬沿岸域で漁獲されたヒラメの全長組成と, 成長式のパラメータ推定時に得られる情報を用い, 最尤法と最小二乗法でパラメータの推定結果を比較したところ, 両者に若干の差が見られた。しかし収束状況は, 最小二乗法の方が最尤法よりも安定しているので, ソルバーの制約条件を工夫し, 最小二乗法を用いて収束させるのが実用的であると思われた。ソルバーの制限条件をよく理解した上でこのワークシートを用いれば, 年齢別漁獲尾数の推定や, 放流効果の評価に役立つだろう。また他の対象種に合わせてワークシートを改良する雛形として使用できる。