- 著者
-
五利江 重昭
- 出版者
- Japanese Society for Aquaculture Science
- 雑誌
- 水産増殖 (ISSN:03714217)
- 巻号頁・発行日
- vol.50, no.2, pp.243-249, 2002-06-20 (Released:2010-03-09)
- 参考文献数
- 16
- 被引用文献数
-
1
MS-Excelのソルバーを用い, 最尤法および非線形最小二乗法により, 全長組成の相対度数分布を混合正規分布に分解して, 各年齢の混合比とAge-Length keyを推定するワークシートを作成した。計算例題として, 兵庫県の但馬沿岸域で漁獲されたヒラメの全長組成と, 成長式のパラメータ推定時に得られる情報を用い, 最尤法と最小二乗法でパラメータの推定結果を比較したところ, 両者に若干の差が見られた。しかし収束状況は, 最小二乗法の方が最尤法よりも安定しているので, ソルバーの制約条件を工夫し, 最小二乗法を用いて収束させるのが実用的であると思われた。ソルバーの制限条件をよく理解した上でこのワークシートを用いれば, 年齢別漁獲尾数の推定や, 放流効果の評価に役立つだろう。また他の対象種に合わせてワークシートを改良する雛形として使用できる。