- 著者
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井上 光太郎
加藤 英明
- 出版者
- 日本ファイナンス学会 MPTフォーラム
- 雑誌
- 現代ファイナンス
- 巻号頁・発行日
- vol.13, pp.3-28, 2003
- 被引用文献数
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1
<p>本研究は,1990年から2002年までの国内上場企業間のM&Aについて,取引の特定の目的や性格が取引全体の経済性に影響を持ち,さらに買収価格の設定が買収企業と買収対象企業間の価値の配分に影響を持つという見通しに基づき,株価効果の要因分析を行っている.分析の結果,救済型M&Aは買収企業,買収対象企業の双方の株主価値増大に貢献していないこと,一方で非救済型M&Aではプラスの株価効果が確認されたが,これは特に水平型取引で顕著であり,プラスの株価効果の要囚は事業上のシナジー効果であることが示された.また,買収価格の設定は,買収企業と買収対象企業間の価値の配分を決定付けており,シナジー効果があると考えられる非救済型M&Aでも,高い買収プレミアムの提示は買収企業のプラスの株価効果を消滅させることを発見した.</p>