著者
浜川 弘茂 柴田 早苗 井上 育生 深田 恒夫
出版者
動物臨床医学会
雑誌
動物臨床医学 (ISSN:13446991)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.12-16, 2013-03-20 (Released:2014-05-14)
参考文献数
7

多くのアスリートがアクアチタン含有首輪(アクア首輪)を付けて競技を行っている。その効果は多く謳われているが,その効果のメカニズムに関して,近年,実験動物を用いて行われたものが報告されてきた。しかしながら,このアクア首輪を装着した犬に関する報告はない。今回,アクア首輪を2頭の犬に装着し,その行動の変化を調べた。それらの犬においては,装着後行動が活発になった。アクア首輪の効果を解明するために,5頭のビーグルにアクア首輪を装着し,対照群として装着していない犬5頭共に自動車による3時間の移動ストレスを与えた。そして,ストレスマーカーである白血球数,リンパ球数,血清コルチゾールおよび唾液中クロモグラニンAを調べた。その結果,すべての項目において,ストレスパターンを示したが,両群間に差がみられなかった。しかしながら,血清コルチゾール値の相対値が,ストレス負荷時においてアクア首輪群が対照群と比べて有意に低かった。したがって,犬においてアクア首輪はコルチゾール抑制効果を示す可能性を示された。