著者
井川,佳子
出版者
調理科学研究会
雑誌
調理科学
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, 1993-05-20

市販わらび餅粉(サツマイモ澱粉)の品質と加熱方法の違いが,わらび餅としての性質にどのような影響があるのかについて,主にゲルの物性と糊化度などの点から検討し,次のような結果を得た。1)ゲルが透明になった後の継続加熱時間が増すと,概して破断応力や凝集性は大きくなった。2)粉末状のわらび鱗粉(P)のゲルは,粒状のもの(G1とG2)に比べ,かたく凝集性が高かった。3)PとG1やG2で調製したゲルの間には官能的た差が見られ,Pはかたくねばくないと評価されたが,感触的好ましさに統計上の差は見られなかった。4)糊化度と白濁程度の点から,G2が他の2試料に比べ老化しにくいことが示された。