- 著者
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堀江 雄
木村 邦男
井田 雅夫
吉田 泰博
大亀 邦仁
- 出版者
- 公益社団法人 日本農芸化学会
- 雑誌
- 日本農芸化学会誌 (ISSN:00021407)
- 巻号頁・発行日
- vol.66, no.4, pp.713-718, 1992-04-01 (Released:2008-11-21)
- 参考文献数
- 16
- 被引用文献数
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6
7
酵母に対する加圧殺菌効果を検討するため,耐圧性の高い酵母の分離を試み,イチゴ由来の酵母(Y-3株)を得た.Y-3株はC. parapsilosisと同定された. 他の酵母と耐圧性を比較検討したところ,Y-3株, C. parapsilosis (IFO 1396)およびC. tropicalis(IFO 1400)の3株は,S. cerevisiae (IFO 0234)より高い耐圧性を持つことが確認された. さらに,加圧処理条件が,Y-3株およびS. cerevisiae (IFO 0234)に対する加圧殺菌効果に及ぼす影響を調べた.ジャムに植菌されたY-3株の加圧後の生存率を,10-6まで減少させるのに,500MPa加圧下25分間,ああるいは425MPa加圧下100分間を要した.加圧時の温度を室温より高く設定することにより,ジャムに植菌されたY-3株に対する加圧殺菌効果が増大した.pHが加圧殺菌効果に及ぼす影響は,S. cerevisiae (IFO 0234)を用いて検討したが,糖度が加圧殺菌効果に及ぼす影響に比べて顕著ではなかった.