著者
須見 洋行 大杉 忠則
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
日本農芸化学会誌 (ISSN:00021407)
巻号頁・発行日
vol.73, no.12, pp.1289-1291, 1999-12-01 (Released:2008-11-21)
参考文献数
15
被引用文献数
2 3 8

In commercially obtained natto and experimentally-prepared natto preparations, relatively high concentrations of dipicolic acid, 20.55±13.67 mg/100g natto (0.006-0.048%, wet weight) were detected, using a simple method combined with ion-exchange column and colorimetric assay procedures. These values were less than that of the previous data (0.06-0.20%, wet weight) reported 60 years ago. Dipicolic acid was thought to be an intracellular component of natto bacilli and could be extracted in the water-soluble fraction by heat-treatment of the sample for 30min at 120°C. Furthermore, the partially purified material from natto bacilli caused very strong inhibition of the growth of sake yeasts (Kyokai 7 and Kyokai 9 mutant).
著者
木村 利昭 藤原 正弘 小川 敬子 藤野 良子 相良 康重 神武 正信 井筒 雅 中島 一郎
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
日本農芸化学会誌 (ISSN:00021407)
巻号頁・発行日
vol.70, no.12, pp.1343-1350, 1996-12-01 (Released:2008-02-14)
参考文献数
25
被引用文献数
2 1

A scanning electron microscope (SEM) was used to study the morphology of starch granules and the strength of market Udon (Japanese noodles), that is, fresh Udon, frozen Udon and cooled Udon after cooking. Udon samples were cooked for a given time and observed with SEM and also we measured the breaking strength. The following results were obtained. 1.The degree of swelling of starch granules in cooked Udon samples differed with the position from the surface. The starch granules near the surface swelled extremely and did not retain their original granular form. 2.A black ring was observed in the cross-section of all cooked Udon in SEM images. The black ring may be caused by the difference in the water content between near the surface and the core of cooked Udon. 3.The starch granules in the core of cooked Udon had a distinct form, but they were not a round shape. The shallow surface layer of each starch granule swelled and gave high contrast. The core of the each starch granule showed low contrast because of its compact structure, which looked black in the SEM images. The area of the black zone was different among Udon samples. 4.There was a correlation between the total area of low contrast zone in the starch granules and the breaking strength of Udon. The area of low contrast zone can be used for an evaluation scale of cooked Udon.
著者
大桃 洋一郎 津郷 友吉
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
日本農芸化学会誌 (ISSN:00021407)
巻号頁・発行日
vol.37, no.12, pp.725-728, 1963 (Released:2008-11-21)
参考文献数
11

Sr90およびCs137の牛乳中における分布を明らかにし,牛乳を乳製品に加工した場合に,どの部分に移行するかを知る目的で,トレーサーとして牛乳にSr89およびCs134を添加し,バターおよびチーズを製造して実験を行なった.その結果,バターに移行するSr89およびCs134は非常に少なく,またバター中に移行したSr89およびCs134はすべてバター中の水の相に存在し,脂肪球の皮膜には吸着されていないことが明らかにされた. ゴーダ型チーズにおいては,全乳中のSr89の約45%が生チーズに移行し,カテージチーズにおいては脱脂乳のわずか1.9%が移行するに過ぎないことが確められた.このSr89の移行は,カード形成におけるCaの行動とよく一致することが認められ,牛乳に添加したSr89の32~39%はカゼインに結合した状態で存在することが明らかにされた. 一方, Cs134は,ゴーダ型チーズにおいてもカテージチーズにおいても,全乳または脱脂乳から生チーズへ移行する量が非常に少ないことが認められた.またその移行する割合が同程度であることおよび生チーズをすりつぶして水洗することによって,生チーズ中のCs134のほとんどを除去しうることから,牛乳中のCs134のすべては,ホエー中に存在するものと考えられる.
著者
木村 邦男
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
日本農芸化学会誌 (ISSN:00021407)
巻号頁・発行日
vol.74, no.5, pp.616-618, 2000-05-01 (Released:2008-11-21)
参考文献数
6
被引用文献数
1 1
著者
古井 博康 稲熊 隆博 石黒 幸雄 木曽 真
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
日本農芸化学会誌 (ISSN:00021407)
巻号頁・発行日
vol.71, no.8, pp.777-782, 1997-08-01 (Released:2009-02-18)
参考文献数
16
被引用文献数
1

1.トマチンの簡易的定量方法の確立を目的として,吸光度を用いた測定方法を検討した.他に報告のある測定方法(HPLC法, GC法,バイオアッセイ法)による値を指標に,試料の調製法を検討した結果,あらゆるステージでのトマチン含量測定が可能になり,吸光度法の有効性が確認できた. 2.新しい吸光度法を用いて,栽培種トマト中のトマチン含量を調査した結果,果実では,緑熟期で16.5mg/100gFW,催色期で4.4mg/100gFW,完熟期で0.3mg/100gFWと,登熟過程において急激に減少することが確認された.また,果実(完熟期)においても,果肉部に比べ,表面の皮部や種子の周りのゼリー部にトマチンが多く分布する傾向が認められた. 3.トマト植物全体におけるトマチンの分布状態を調査したところ,果実,茎,根の器官に比べ,花や葉の器官に多く含まれることが確認された. 4.品種間におけるトマチン量の差について調査した結果,栽培種に比べ,病気に対する抵抗性の強い野生種であるL. pimpinellifolium, L. peruvianum, L. hirsutumのほうが,トマチン含量が多いことが認められた. 5.トマチンの分布状態が植物全体では一定でなく,器官,ステージ,品種の差によって含量に差が現われることから,トマチンがトマトの生態防御機構に関係を有していることが考えられた.本研究を行なうにあたり,終始ご指導,ご鞭撻を賜りました,東京大学名誉教授中村道徳先生,お茶の水女子大学名誉教授福場博保先生に深く感謝致します.
著者
小林 加奈理 長戸 有希子 青井 暢之 L.R. ジュネジャ 金 武祚 山本 武彦 杉本 助男
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
日本農芸化学会誌 (ISSN:00021407)
巻号頁・発行日
vol.72, no.2, pp.153-157, 1998-02-01 (Released:2009-02-18)
参考文献数
24
被引用文献数
52 56 3

L-テアニンは緑茶の葉中および抽出液中に含まれているアミノ酸の一種で,カフェインによる興奮を抑制することが知られている.また,ラットへのL-テアニンの経口投与により,脳内のセロトニンが減少し,カテコールアミンの増加ずることが知られている. L-テアニンは動物実験で安全なことがすでに確認されている. 筆者らはL-テアニン服用による脳波への影響について検討した結果,リラックスをもたらすことを確認した. L-テアニンの影響を不安程度の異なる精神状態で調べるため, MAS法に従って段階I(高不安域群)の4名と段階V(低不安域群)の4名の計8名の女子学生を被験者に選定した. その結果, L-テアニン200mgを含む水100ml服用によって後頭部・頭頂部にα波の出現が認められた.α波出現は服用後40分後に観測され,少なくとも2時間は持続すると考えられる.α波の出現によるリラックス作用は,段階Vの低不安域群より段階Iの高不安域群の方が優れていた. L-テアニン服用後,被験者は眠気を感じず,十分なリラックスを感じた.また,指先が暖かくなったとの体感を感じた被験者もいた. 今回の研究により, L-テアニンは新しいタイプの添加物として食品や飲料に応用される可能性が示唆された.今後はさまざまなL-テアニン含有食品についての効果を検討するつもりである.
著者
近藤 金助 久保 正徳 板東 和夫
出版者
Japan Society for Bioscience, Biotechnology, and Agrochemistry
雑誌
日本農芸化学会誌 (ISSN:00021407)
巻号頁・発行日
vol.12, no.11, pp.1077-1087, 1936

(1) 我が國の河海湖沼に饒産するイセエビ,クルマエビ,ホツカイエビ,及びマエビについて一般を知り,前二者に併せてシラサエビの生鮮なるものについて雌雄別に,又季節別に定量分析を行つた.又ホツカイエビに就ては市販の罐詰肉について定量した.其の結果を要記すれば次の通りである.<br> (a) 三種の蝦に於て可食肉量の最も多いのはクルマエビの55%,次はシラサエビの50%にして最も少なきはイセエビの40%であつた.蓋し後者の甲殻肢節が特に大であるからである.<br> (b) 可食肉量の割合は同一種の蝦にありては雌雄別,又は大小別による相違はなかつた.<br> (c) イセエビにありては初夏のものは雌雄共に水分84%に達し,蛋白量は14%にすぎずして新鮮肉100gの保有する利用性熱量は僅かに60Calsであつた 然るに秋季のものは水分減少して78%となり,蛋白は20%に増加し更に脂肪,及びグリコーゲンも亦増加した結果,新鮮肉100gが保有する利用性熱量も亦増加して83~84Cals.となつた.<br> (d) クルマエビにありては初夏のものも亦秋季のものも水分78~79%,蛋白20%であつて,薪鮮肉100gが保有する利用性熱量は82~83Cals.であつた.<br> (e) シラサエビにありては水分82%,蛋白量16%であつて,新鮮肉100gが保有する利用性熱量は約70Cals.にすぎなかつた.<br> (f) ホツカイエビ罐詰にありては一罐内の可食肉量は約110~120gであつて,蛋白が31~32g利用性熱量が約135Cals.保有されて居つた.<br> (2) 蟹及び蝦肉は共に全固形成分の85~92%が蛋白であつて,脂肪,グリコーゲン及び灰分は微量にすぎない.然しながら此の少量成分たる脂肪並びにグリコーゲンは季節によつて稍々規則正しく増減して居るが故に,其の消長は食昧に對して相當なる影響を與へるものと考へられる.<br> (3) 蝦肉蛋白の窒素の形態を定量し其の結果から新鮮肉中に存在するアルギーニン,ヒスチヂン,リジン,及びシスチンの量を算出表示した.<br> (4) 蝦肉蛋白の窒素の形態を定量した結果から知り得た事項を要記すれば次の通りである.<br> (a) 鹽基態のアミノ酸は夏季のものよりも秋季のものに於て多い.<br> (b) 就中アルギーニン,リジン,及びシスチンの含量に於て然りである.<br> (c) ヒユーミン態窒素は秋季のものに於て増加して居る.<br> (d) 夏秋を通じて雌肉蛋白は雄肉蛋白に比して,アルギーニンとリジンの含量は少ないがヒスチヂンの含量は多い.<br> (5) 蝦肉蛋白の窒素の形態が雌雄により,又季節によつて變動するのは生體蛋白の彷徨變異性の自然的表現であることを論證し,蝦肉及び蟹肉が種類別に産地別に又季節別に差別的特味を有する反面に於て又共通的食味を有することを指摘し,其の原因のうち肉蛋白が關與する限り後者の原因に關しては蛋白基成分が共通して居るが爲めであることを論述し,併せて差別的特味の原因を肉蛋白の組成のうちに見出し得ることを暗示した.<br> 本報告のうちシラサエビ,クルマエビ,及びイセエビに關する實驗の全部は久保が行ひ,ホツカイエビに關する實驗の大部は板東が行つたのである.
著者
田幸 年邦 永浜 伴紀 野村 男次
出版者
Japan Society for Bioscience, Biotechnology, and Agrochemistry
雑誌
日本農芸化学会誌 (ISSN:00021407)
巻号頁・発行日
vol.51, no.8, pp.513-518, 1977
被引用文献数
6 19

キサンタンガムの非ニュートン流動性および動的粘弾性について吟味を加えた.<br> キサンタンガムは,塑性流動を示し,配向性が著しく,アンドレード式に適合せずシグモイド曲線を示したことから,会合性多糖と結論された.<br> キサンタンガムの流動指数,構造粘性は濃度に関係なくほぼ一定値を示した.<br> キサンタンガムはη'に比較してG'が著しく大きく,tanδは0.4~0.5で,弾性に富む多糖であることがわかった.<br> キサンタンガムの水溶液に塩添加すれば,粘性の温度依存性がアンドレード式に適合するようになることを認めた.このことから,キサンタンガムの分子鎖間会合は塩添加により,ほぐれると結論できる.<br> このことから,キサンタンガムの分子鎖間会合には側鎖が著しく関与していることが示唆された.
著者
芦田 優子 斉藤 義幸 川戸 章嗣 今安 聰
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
日本農芸化学会誌 (ISSN:00021407)
巻号頁・発行日
vol.66, no.8, pp.1233-1240, 1992-08-01 (Released:2008-11-21)
参考文献数
16
被引用文献数
2 2

(1) 米糠由来の食物繊維(RF)の物理化学的性質について検討したところ,他の穀類から抽出した食物繊維と比較して,吸水性,膨潤性,有機リン系農薬吸着能に優れていた. (2) RFは,鉄やカルシウムを多く吸着することができるが,解離定数が大きいために吸着した鉄やカルシウムを放しやすい性質を持っている. (3) 吸着させた鉄は,通常の調理条件では溶出しないが,胃の中を想定した強酸状態ではすべて遊離する.しかし中性状態になると再び吸着されるが,リン酸緩衝液(pH6.8)で50倍希釈すると吸着鉄の60%が遊離した. (4) RFに鉄やカルシウムを吸着させても,吸水性,膨潤性,有機リン系農薬吸着能はほとんど変わらなかった.
著者
末光 力作 樋浦 誠
出版者
Japan Society for Bioscience, Biotechnology, and Agrochemistry
雑誌
日本農芸化学会誌 (ISSN:00021407)
巻号頁・発行日
vol.27, no.12, pp.825-827, 1953

青草飼料を与えた乳牛の尿より活性炭を吸着剤に用いてC<sub>10</sub>H<sub>10</sub>O<sub>2</sub>の化学組成を有する化合物を結晶状に単離した.酸素1原子はエノール姓水酸基の形で存在している事を認め,又同時に活性炭に吸着されて来るものの中より特有な牛尿臭を有する褐色油を得た.この油を減圧蒸溜した物の中より<i>p</i>-cresol及びphenolをaryloxy醋酸の形で分離確認した.<br> 終に元素分析は薬理研究所大畑氏に,吸収スペクトルの測定は北海道水産物検査所の小泉氏にお願いした事を附記し,御指導を賜つた北大小幡教授,東大石館教授と共に深甚なる謝意を表する.
著者
仁井 晧迪 古川 靖 岩切 三雄 久保田 尚志
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
日本農芸化学会誌 (ISSN:00021407)
巻号頁・発行日
vol.55, no.1, pp.37-41, 1981 (Released:2008-11-21)
参考文献数
21
被引用文献数
6 6

The essential oil from the fruit of Machilus thunbergii Sieb. et Zucc. grown of Ibaraki-city (Osaka prefecture), has been studied. The constituents of each essential oil, which was obtained respectively from the mesocarp, seed and leaf by steam distillation, were investigated by chromatographic and spectral methods. As a result, 77 compounds were identified. The major components in the mesocarp oil were α-pinene, β-pinene, α-phellandrene, cis-β-ocimene, trans-β-ocimene and α-zingiberene, those in the seed oil were α-pinene, α-copaene, caryophyllene, δ-cadinene and caryophyllene oxide, while those in the leaf oil were caryophyllene, germacrene-D and δ-cadinene. Seasonal variation of the oil content was examined. The oil content decreased with ripening of the fruit. This tendency is similar to the result, which was observed in the fruit of Lindera strych-nifolia (Sieb. et Zucc.) F. Vill. The content of α-phellandrene and trans-β-ocimene, which were the main constituents in the whole fruit oil, increased with the ripening of the fruit, but decreased in the over-mature oil.