著者
京 明雄
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.13, no.7, pp.828-836, 1980-07-01
被引用文献数
2

胃切除後吻合部潰瘍症例21例, 十二指腸潰瘍症例60例, 胃切除後吻合部潰瘍のない症例17例を対象として, 茂樹前基礎酸分泌, 血清ガストリン値およびテトラガストリン, セクレチン, レギュラー・インスリン, Ca グルコネート刺激による胃酸および血清ガストリン反応を検索した. 吻合部潰瘍では, かならずしも残胃の大きさと相関しない機能的壁細胞量の残存刺激が認められ, しかもその約4割が基礎分泌状態において持続的に機能している状態にあり, これは主として迷走神経の影響を受けた残存壁細胞の機能異常と密接な関連性を持ったことが推定された.