著者
大西 治夫 伊藤 千尋 鈴木 和男 仁保 健 下良 実 山口 和夫
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.78, no.3, pp.139-144, 1981 (Released:2007-03-09)
参考文献数
18
被引用文献数
3 2

tofisopam の嗅球摘出ラットにおける拘束ストレス潰瘍,水浸拘束ストレス下における腸管輸送能およびウサギ視床下部電気刺激による自律神経反応に及ぼす影響について検討した.嗅球摘出ラットに拘束ストレスを負荷することにより,胃潰瘍の発現率および潰瘍指数の上昇が認められた.tofisopam は嗅球摘出ラットにおける拘束ストレス潰瘍を著明に抑制した.ラットに水浸拘束ストレスを負荷したところ,明らかに腸管輸送能の亢進が認められたが,tofisopam はこの腸管輸送能の亢進を抑制した.ウサギの視床下部(内側視索前野)を電気刺激したところ,耳介細動脈および細静脈の収縮,耳朶温の低下,瞳孔径の増大などの変化が認められた.tofisopam 1mg/kg 静注により,視床下部の電気刺激による耳介細動脈および細静脈の収縮ならびに瞳孔径の増大に対する抑制が認められた.また,tofisopam 0.1mg/kg の脳脊髄内投与によっても,視床下部の電気刺激による耳介細動脈の収縮,耳朶温の低下および瞳孔径の増大に対する抑制が認められた.これらの結果は,tofisopam が各種ストレス負荷時にみられる自律神経系の異常を改善し,さらに,自律神経系の高位中枢である視床下部に対しても作用を有することを示すものと思われた。