著者
今井 教雄 宮坂 大 須田 健 伊藤 知之 遠藤 直人
出版者
南江堂
巻号頁・発行日
pp.1225-1229, 2014-11-01

股関節インピンジメント41例(男23例、女18例、平均37.5歳;FAI群)と健常者77例(男26例、女51例、平均44.2歳)の骨盤形態・傾斜を比較した。FAI群は、股関節痛を有し、X線上center-edge(CE)角≧25°で臼蓋形成不全がなく、造影MRIで股関節唇損傷を認めた症例とした。臥位X線前後像におけるcross over sign(COS)はFAI群33例、健常群22例に認め、そのうち前骨盤平面(APP)を0°に補正した三次元CTにおけるCOS有りはそれぞれ10例、6例であった。臥位でCT台に対するAPPの前後傾はFAI群平均+7.6°、健常群+3.8°とFAI群が有意に前傾が強かった。APPに対する臼蓋前方・後方・外側CE角は有意差はなく、臼蓋前方開角はFAI群19.4°、健常群24.9°とFAI群で有意に小さかった。三次元CTを矢状面に投射した骨盤側面像におけるAPPと、前後臼蓋結節の中点および臼蓋中心を通る直線とのなす角は、FAI群16.7°、健常群20.6°と有意差を認めた。