著者
今田 万里子 巽 あさみ
出版者
日本産業看護学会
雑誌
日本産業看護学会誌 (ISSN:21886377)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.1-8, 2015 (Released:2021-10-29)
参考文献数
20

【目的】産業看護職の作業環境管理および作業管理に対する実践能力に関連する要因を明らかにする.【方法】産業看護職513名に自記式質問票を郵送し,206名より回答を得た(回収率40.2%).このうち本研究のテーマに沿って実態がより反映された結果を得るために所属機関が企業の者141名に絞って分析を実施した.【結果】役割認識,実践状況と有意な相関を認めた要因は「作業環境管理および作業管理の活動において社外研修が役立っている」,「作業環境管理,作業管理の活動困難感」など6項目であった.実践能力は役割認識と実践状況を介して各要因から影響を受けていると仮定しパス解析を行った.実践能力は実践状況,OJTが役立っている,から影響を受けており,実践状況は事業主の期待・理解・協力に影響を与えている,というモデルが得られた.【考察】実践能力は作業環境管理および作業管理の実践の蓄積により高められる.またOJTによる教育が重要であること,実践が事業主の期待・理解・協力を得ることにつながることが示唆された.