著者
吉田 勝二 今西 実
出版者
Japanese Society of Tea Science and Technology
雑誌
茶業研究報告
巻号頁・発行日
vol.1976, no.44, pp.32-38, 1976

奈良県における昭和48年度の品評会茶150点のうち,上位50点,下位50点からそれぞれ任意に抽出し,計32点を対象として,官能審査評点と茶無機成分含有率との関係について調べた。その結果を要約すると次のとおりである。<BR>1) 上位グループの全窒素含有率と滋味との間に5%水準で負の相関が認められた。<BR>2) カルシウム含有率と滋味,香気および内質全体との間に5%水準で負の相関が認められた。また下位グループにおいて5%水準で水色との間に正の相関が認められた。<BR>3) 下位グループにおいてマンガン含有率と香気との間に5%水準で負の相関が認められた。2000ppm以上を含有する場合には明らかに劣った。<BR>4) 鉄含有率と水色および内質全体との間に5%水準で負の相関が認められた。また上位グループにおいて滋味との間に5%水準で負の相関が認められた。<BR>5) 鉄とマンガン含有率との間に5%水準で正の相関が認められた。