著者
今門 純久
出版者
公益社団法人 日本皮膚科学会
雑誌
日本皮膚科学会雑誌 (ISSN:0021499X)
巻号頁・発行日
vol.116, no.2, pp.173-176, 2006-02-20 (Released:2014-12-10)

毛孔性紅色粃糠疹は,毛孔一致性の角化性丘疹,手掌・足底のびまん性紅斑と過角化などを特徴とする.Classical adult,atypical adult, classical juvenile,circumscribed juvenileなどの5つの病型に分ける考え方が主流であるが,疾患の本態は未解明である.尋常性乾癬との鑑別が最も重要である.ジベルばら色粃糠疹は,herald patch と呼ばれる初発疹と,初発疹に遅れて多発する続発疹を特徴とする.通常,1~2 カ月の経過で自然に治癒する.血清抗体価の推移や,皮疹部からの mRNA の検出により,ジベルばら色粃糠疹の多くは,HHV-6 やHHV-7 が病因として関与していることが判明した.