著者
仲筋 宣子 仲筋 耕作 北澤 高志 南 清和
出版者
特定非営利活動法人 日本顎咬合学会
雑誌
日本顎咬合学会誌 咬み合わせの科学 (ISSN:13468111)
巻号頁・発行日
vol.34, no.3, pp.210-217, 2014-11-25 (Released:2015-12-23)
参考文献数
16

歯周病は生活習慣病として位置づけられており,様々な研究で食事や多くの栄養素が歯周病と関連していることが報告されている.本研究では,歯周病の治療時に“ コラーゲン・亜鉛配合ゼリー”サプリメントの摂取効果を調べるため,34 名の歯周病患者を対象として無作為化プラセボ対照比較試験を行った.被験者を“コラーゲン・亜鉛配合ゼリー”摂取群(サプリメント群)とプラセボ摂取群(プラセボ群)にランダムに割り付け,歯周ポケットの深さ(Probing pocket depth; PD)とプロービング時の出血(Bleeding on probing; BOP)について,治療前,4,8, 12週時に検討した.その結果,治療前のPDが4mm以上の場合,摂取8週時におけるサプリメント群の平均PDは3.36 ± 1.34mm であり,プラセボ群と比較して統計学的に有意に小さかった(p<0.05).さらに,サプリメント群での平均BOP ポイント数は,8 週時で7.79 ポイント,12 週時で7.35 ポイントであり,プラセボ群と比較して有意に小さかった(それぞれ19.54 ポイントと20.77 ポイント,p<0.01).これらの結果は,”コラーゲン・亜鉛配合ゼリー”が,歯周病の症状の進行を抑える可能性を示唆している.【顎咬合誌 34(3):210-217,2014】