- 著者
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後藤 昭博
伊ケ崎 文和
河村 光隆
- 出版者
- 日本海水学会
- 雑誌
- 日本海水学会誌 (ISSN:03694550)
- 巻号頁・発行日
- vol.40, no.3, pp.146-151, 1986 (Released:2013-02-19)
- 参考文献数
- 7
食塩の流動特性を定量的に把握するパラメータとして, 嵩比重, 内部摩擦係数をとりあげ, リング式直接せん断試験機を試作し, せん断試験を実施した. また, 食塩の流動特性にもっとも影響を及ぼすと思われる吸湿水分量の影響についても検討した結果, 以下の事柄についての知見を得た.1) 吸湿した食塩の嵩比重は, いずれも元の食塩よりも小さく, 同一初期垂直応力において吸湿水分量が多くなるほど小さくなる傾向がある. また, 吸湿水分量が多い食塩ほど圧縮性が増す傾向も見られた.2) 内部摩擦係数については, 吸湿水分量0.15%以下の試料でほぼ0.675~0.74の値が得られた. 吸湿水分量の影響については, 初期垂直応力σi=40g/cm2ではその影響は認められなかったが,σi=20g/cm2以下では吸湿水分量0.18%以上の試料で, ある垂直応力以上において, せ ん断応力が増加せず, 他の試料よりも小さな値を示すことがわかった. 一方, σi=5g/cm2の結果では, 2.5g/cm2以下の低い垂直応力域において, 吸湿した食塩よりも吸湿しないもとの食塩のほうが低いせん断応力を示した.3) 以上の事柄から, 試作した直接せん断試験機を使用して, 食塩の流動特性を定量的に測定することが可能であることがわかった.