著者
三輪 レイ子 伊丹 永一郎
出版者
日本聴覚医学会
雑誌
AUDIOLOGY JAPAN (ISSN:03038106)
巻号頁・発行日
vol.43, no.6, pp.654-662, 2000

高齢難聴者が補聴器装用を簡便におこなえる「改良型イヤモールド」を開発した。 特徴は, (1) 回さなくても押すだけで挿入できる仕組み, (2) 体温で膨張する素材の採用, (3) イヤモールドの先端を外耳道の第2カーブまで伸ばす, の3点である。 この結果, (1) 容易に挿入できる, (2) ハウリングを生じない, (3) こもり現象が抑制される, ことを確認した。<br>「改良型イヤモールド」の開発により, 今後, 高齢難聴者の補聴器装用は大幅に改善されると期待される。
著者
三輪 レイ子 伊丹 永一郎
出版者
日本聴覚医学会
雑誌
AUDIOLOGY JAPAN (ISSN:03038106)
巻号頁・発行日
vol.45, no.3, pp.251-257, 2002

子どもが装用する補聴器は, 活発な身体の動き, 細い外耳道, 成長による形状の変化, 高度難聴による高出力型補聴器の使用などの条件が重なり, ハウリングを起こしやすい。 また, 耳介が小さく柔らかいため, 耳介上に補聴器を固定でき難い難点がある。 「子ども用改良型イヤモールド」は, 先に高齢者向に開発した「改良型イヤモールド」をモデルとし, さらに改良を加え発展させたものである。 改良のポイントは, 1. 入口部を工夫し弾力性をもたせ操作性と密着度を高めた, 2. 本体のサーモソフト材を柔らかくし密着度を高めた, 3. 補聴器とイヤモールドを結ぶチューブを狂いなく連結し安定性を高めたの3点である。 試着の結果, ハウリングの防止ならびに補聴器の安定性が確認され, 耳介の上に安定して装着できる補聴器を実現することができた。