著者
伊丹 貴晴
出版者
北海道大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

アシドーシスはカテコラミン反応性を減弱させ心収縮力を低下させることが知られている。本研究では、カテコラミンβ1受容体を介さずにアデニル酸シクラーゼを賦活化することで強心・血管拡張作用を得るコルホルシン(COLF)のアシドーシス時における心機能改善効果を検討した。6頭のビーグル犬に正常時と呼吸性アシドーシス時とにおいてCOLFとカテコラミンであるドブタミン(DOB)とを交互に投与した。両薬剤とも用量依存性に心拍出量および心拍数を増加させ、全身血管抵抗を低下させたが、その作用は正常時と比較してアシドーシス時では抑制された。DOBは用量依存性に肺動脈圧を増加させたが、COLFでは増加させなかった。