著者
伊土 耕平
出版者
上智大学
雑誌
上智大学国文学論集 (ISSN:02880210)
巻号頁・発行日
vol.30, pp.41-56, 1997-01-20
著者
伊土 耕平
出版者
岡山大学教育学部国語研究会
雑誌
岡山大学国語研究 (ISSN:21895414)
巻号頁・発行日
no.30, pp.5-18, 2016-03
著者
伊土 耕平
出版者
岡山大学大学院教育学研究科
雑誌
岡山大学大学院教育学研究科研究集録 (ISSN:18832423)
巻号頁・発行日
vol.166, pp.63-71, 2017-11-28

古事記における主語の表示/省略の傾向を整理すると,①▽→φ→φ…,②φ→▽→φ…,③φ→φ→φ…,④▽→▽→▽…,という4つの型に整理できる(▽=表示,φ=省略)。①は,最初の文で主語を表示し,次の文以降は主語を省略するタイプである。オーソドックスな主語連続で,特別な表現効果は発揮しない。それに対して,②以下は特異な主語表示である。まず②は,最初の文では主語を省略し,次の文で主語を表示する。人物は異常な登場をする。言わば,アンチヒーロー登場型である。③は①の後続部分などに現れる。物語の展開がスピーディーになったり,読み手が登場人物に同化したりする,緊密型である。④は全表示型である。複数の登場人物が紛れないようにするため必要であるときと,ある種の表現効果を発揮するときがある。以上のうち,②は現代語には見られない。