著者
永田 浩一 伊山 篤
出版者
日本大腸肛門病学会
雑誌
日本大腸肛門病学会雑誌 (ISSN:00471801)
巻号頁・発行日
vol.64, no.3, pp.133-139, 2011 (Released:2011-03-03)
参考文献数
27
被引用文献数
2

目的:大腸3D-CT検査の炭酸ガス手動注入時に直腸内圧をモニターすることは,腸管拡張程度の改善に寄与するか比較検討した. 方法:大腸3D-CT検査を施行した合計140例を対象として圧力計未使用群70例,炭酸ガス手動注入時に圧力計で直腸内圧をモニターした圧力計併用群70例の2群に分けた.大腸を6区分に分類し,2体位分で合計1,680の大腸区分の腸管拡張程度を評価者2名が4段階の腸管拡張スコアで評価した.圧力計併用群では,ガス注入中止時の直腸内圧を記録した. 結果:圧力計併用群では圧力計未使用群に比較し,両体位でガス注入量が増加し,2体位目の腸管拡張程度では下行結腸を除いた大腸5区分で有意な改善がみられた.ガス注入中止時の平均直腸内圧は,1体位目が32.6mmHg,2体位目は31.2mmHgであった. 結論:大腸3D-CT検査の送気時に直腸内圧をモニターすることは,腸管拡張程度の改善に有用である.