- 著者
-
石井 正和
加藤 大貴
伊東 育己
- 出版者
- 特定非営利活動法人 日本禁煙学会
- 雑誌
- 日本禁煙学会雑誌 (ISSN:18826806)
- 巻号頁・発行日
- vol.17, no.3, pp.36-46, 2022-11-07 (Released:2022-12-30)
- 参考文献数
- 27
- 被引用文献数
-
2
【目 的】 加熱式タバコの煙や臭いによる頭痛の実態を明らかにするためにアンケート調査を実施した。【方 法】 インターネットでアンケート調査を行った。対象は20~40歳代の頭痛持ちの男女で、加熱式タバコ使用者に限定していない。【結 果】 有効回答は627人で、片頭痛は163人、その他の頭痛は464人だった。片頭痛群はその他の頭痛群と比較して、頭痛が日常生活に及ぼす影響が大きく、紙巻タバコだけでなく加熱式タバコの煙や臭いにより頭痛が引き起こされる人が有意に多かった。片頭痛群のうち、非喫煙者(117人)でも紙巻タバコだけでなく加熱式タバコの煙や臭いにより頭痛が引き起こされる人がいたが、喫煙者(46人)ではさらに多かった。【結 論】 頭痛患者のなかで、片頭痛患者は、喫煙や受動喫煙による紙巻タバコや加熱式タバコの煙や臭いにより頭痛を誘発しやすいことが明らかとなった。紙巻タバコと加熱式タバコを区別せずに禁煙環境を整備する必要がある。