著者
安田 和矢 伊藤 信治 中村 知倫 原田 真雄 肥後 芳樹
出版者
日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータ ソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.38, no.4, pp.4_23-4_32, 2021-10-22 (Released:2021-12-22)

近年,ソースコードのデバッグ作業を効率化する自動プログラム修正が注目されている.従来の自動プログラム修正手法では,欠陥が含まれる命令を,ソースコード中の別の箇所に出現する式 (素材コード片) を用いて書き換えることで,欠陥を修正する.したがって,必要な素材コード片がソースコード中に存在しない場合,欠陥を修正できない.本研究では,修正対象システムで特定のコード記述パターンがよく用いられる,という開発者の知見を活用し,事前定義したコード記述パターンに基づき素材コード片を生成する手法を提案する.これにより,ソースコード中に素材コード片が存在しない場合でも,プログラムの自動修正が可能となる.実製品の開発中に検出・修正された欠陥48件に提案手法を適用した結果,既存手法では修正できた欠陥の数が9件だったところ,提案手法では2件増加し11件となった.