著者
伊藤 宗成 河越 しほ
出版者
東京慈恵会医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

本研究では、日本初の技術である人工多能性幹細胞(iPSC)を用いて、先天性表皮水疱症の遺伝子・細胞治療の確立を目指した。先天性表皮水疱症は、生まれつきⅦ型コラーゲンの遺伝子変異により、表皮と真皮の接着が脆弱であり、僅かな外力で水疱を来たし、瘢痕形成を生じる疾患である。我々は、患者血液細胞からiPSCを樹立し、最新の遺伝子改変システム(CRISPR/CAS9)を用いて、iPSC内の遺伝子変異の修復を試みた。また今回の手法では、遺伝子変異の修復に必要なvector作製の際に、Transposonの原理も応用することで、元の遺伝子に傷跡を残さないような工夫を施し、実現しうる手法かどうか、検証した。