著者
伊藤 廣紀 蒔苗 耕司
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集F3(土木情報学) (ISSN:21856591)
巻号頁・発行日
vol.69, no.2, pp.II_36-II_42, 2013 (Released:2014-03-19)
参考文献数
14

近年スマートフォンの普及により,位置情報を利用したARアプリケーションの需要が高まっている.しかし,携帯端末上におけるAR技術の利用は処理コストが高く,それに耐えうる高速な手法が求められている.中でもオクルージョン処理は,仮想物体を違和感無く重畳するために欠かせない処理であるが,現実空間の奥行きデータをリアルタイムで取得する必要がある.本研究では,現実空間から取得した地物モデルデータによってオクルージョン処理を行う手法を提案した.結果として,携帯端末の携行性を犠牲にすることなく,オクルージョン処理を行うことができた.問題点として,センサーやモデルデータについて,高い精度が求められることがわかった.今後はデータを動的に取得する手法や,ズレを補正するための手法について,研究していく必要がある.