著者
伊藤 有史 伊藤 春見 中島 千雄 三宅 隆史
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.61, no.11, pp.765-772, 2018-11-30 (Released:2018-11-30)
参考文献数
34

【目的】75gOGTTの男女差を調べる.【方法】2008年11月~2015年5月に当院で75gOGTTを行いHbA1c値が6.0~6.4 %の375名(男性146名,女性229名)について血糖値を男女間で比較した.【結果】男性は0,30,60,120分血糖値のすべてで女性よりも有意に高値を示した.各血糖値を目的変数とした重回帰分析は,性別,Insulinogenic index(II),HOMA-IRが4点の血糖値で,身長が60,120分値で有意な独立変数であった.判定区分別では,境界型の0,30,60分値で男性が,120分値で女性が有意に高値を示した.正常型は境界型と同じ傾向を示したが有意差を認めなかった.糖尿病型は120分値で男性が高い傾向を示したが有意差を認めなかった.各区分のHbA1c値に男女差はなかった.【結語】糖尿病型では境界型で見られた血糖値の男女差が消失した.