著者
中野 洋恵 中澤 智恵 中山 実 伊藤 眞知子
出版者
国立婦人教育会館
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1997

1年次の研究の結果、情報を発信する立場からは育児情報が多様化していること、親自身の情報も必要とされていること、インターネットを使った情報提供も期待されていることが明らかになった。そこで、情報の受け手である子どもを持つ母親がどのように考えているのかを明らかにするために、子どもを持つ母親を対象に子育てに関する生活実態と意識に関するアンケート調査を実施した。調査対象者:0〜1歳の子どもを持つ母親調査方法 :東京都、埼玉県の保健所、保健センターに乳児検診に来た母親に調査票配布、郵送による回収配布数2880 回収数1075 回収率37.3%得られた知見:(1)子育てについては「周囲の意見や情報に流されず自分の育児をしたい」と考える母親が多く、子育ての自分らしさが志向されている傾向が見られる。が一方で、「いろいろな情報があり、どれが正しいか迷うことがある」も多く、必ずしも自分の育児に自信を持っているわけではない。(2)子どもを連れて家族で外出する事は多く、「よく」「ときどき」を合わせると9割を超える。子どもを連れていく遊び場情報、お出かけ情報が必要とされる背景となっている。しかし、子どもを預けて夫婦だけでの外出は「全くしない」が半数を超える。(3)子育てに関わる情報のうち最も必要とされているものは、子どもの身体に関するものであり、次が遊び場・おでかけ情報である。また、職業を持っている母親、高学歴の母親ほど自分自身にとっての情報を必要としている。(4)利用されているメディアはテレビが最も多く、雑誌、市や町の広報と続く。インターネット利用は15%である。利用したいメディアには、市や町の広報も上位に挙げられており、公的な情報が期待されている。