著者
清水 勇 伝田 篤
出版者
公益社団法人地盤工学会
雑誌
土質工学会論文報告集 (ISSN:03851621)
巻号頁・発行日
vol.20, no.4, 1980-12-15

鉄道路盤には, 路盤特有の「噴泥現象」がある。この現象は比較的浅い部分に生じることが多く, 沈下等によって軌道の健全な機能を阻害している。本報告は, これらの防止対策として「高圧ジェットグラウト工法」を採用し, 実施計画したものである。本工法は比較的新しい試みであり, 現状では実験工事を経て本工事への適用性を考える必要があるとされている。実験は東京都町田市の東急電鉄の田園都市線延長工事区間において実施された。敷地の周辺地盤構成は, GL-5 mまでは立川ローム層で覆われ, GL-15 mまでは武蔵野ロームとなっており, これ以深は相模礫層と続いている。路盤はGL-8 mに位置している。実験は次の3項目に着目し行われた。1)セメントペーストの適性配合, 2)最適打設方法, 3)施工性および杭打設配置。本回の実験結果により, 今後の適用に関して十分に可能性のあるものにするため, 更に追加実験が必要であることを示している。